
ジステンパー
・高熱、咳でのイメージが強いがフェレットさんの場合食欲不振、元気がない、ハードパット(肉球が固くなる)などの症状で来院することが多いです。
・フェッレットさんはもともと人間のインフルエンザのための実験動物として使用されていたので人間のインフルエンザがうつりやすいのです。
・感染者がいたらまず安全なところにフェレットさんを映す(隔離する)が必要です。
・多頭飼育は特に要注意!他のフェレットさんとの接触も避けたほうが無難です。
胃潰瘍?緑色下痢症
・ヘリコバクターが原因。吐き気、黒色便を示す。抗生物質(メトニダゾール+アモキシシリン)で治療する。後述の異物との見分けが必要です。
異物
・フェッレトさんは床に近いところを移動するため、知らず知らずのうちに、ほこりや髪の毛などを飲み込んでします機会が多いです。
・若いうちは猫用の毛球緩下剤(ラキサトーン)や水分補給で回復することもありますが、繰り返し飲み込んでいるとぐったりする、食欲が落ちるなどの症状をおこし、手術(胃切開、腸切開)が必要になることが多いので要注意です。
・おかしいなと思ったら病院に連絡しましょう。初期ならバリウムなどで異物を流してしまいましょう。
好酸球胃腸炎
・はっきりしない胃腸炎を繰り返す。ステロイドで症状が改善するが障害治療が必要となる。後述のリンパ腫との鑑別が重要となります。
リンパ腫
・症状は元気消失、食欲低下で来ることが多い。リンパ球が増加、縦隔や腸管、脾臓に腫瘍(肉腫)ができる。基本的にステロイドや抗がん剤で治療する。外科的切除は腸閉塞や狭窄がひどくて必要ならば補助的に行うこともある。
巨脾症(脾腫)
・フェレットさんではよくみられる症状です。通常血液は骨髄にて作られるがフェレットさんは髄外造血と言って脾臓で血液を作ることがあるからです。
以下のものとの鑑別が必要です。
1、リンパ肉腫
2、胃腸疾患
3.心筋症
4、血管肉腫
5、アユーシャン病
6、脱毛
・不妊・去勢済みなら95%が副腎腫瘍。尾っぽだけなら、季節性脱毛(夏から秋にかけて)や脊索腫(良性の腫瘍)のことも多い。
インスリノーマ(B細胞アデノーマ)
・副腎腫瘍と併発することが多く睡眠が深くなり、動きが緩慢になり、発作(特に空腹時)を起こすこともある。食事を糖分ではなくタンパク質中心に切り替える、手術で一部?全部切除するなどの治療がある。
副腎腫瘍(クッシング)
・フェレットさんでは脳(下垂体性)ではなく、副腎ホルモンが副腎(末梢)から以上に出てしまう病気。脱毛、皮膚、かゆみ、皮膚が薄くなるメスの外陰部腫脹、乳腺の発達(雌性化)オスの尿道閉塞(前立腺肥大)を起こす。
・外科的切除よりもリュープリンなどのホルモン抑制剤で治療することが多い。
外耳炎
・耳ダニが原因のことが多い。耳掃除+セリューマイトやレボリューションで治療する。
ミンクのアリューシャン病
・ミンクでは腎臓や動脈炎を起こすことがフェレットでは症状を示すことがまれで、体重減少?削痩、後肢麻痺、震戦(ふるえ)を起こす。確定診断はPCRによるが効果的な治療法がないのが残念です。
ブルーフェレット症候群
・内分泌(ホルモン)の関連で発毛時に皮膚(毛嚢)が青くなること。かつては病気と思われていたが、病気ではないため特に治療も必要ない。
犬糸状虫症
・右心室、肺静脈にフィラリアが入るとフェレットさんは心臓が小さいために犬より症状が重く、発咳?気管支炎、腹水、肝腫大または突然死する。
・予防薬は、消化時間が短い動物なので錠剤やチュアブル(お肉タイプ)では吸収不良になることもあるため、粉剤や滴下薬のが適していると思われる。
尿石症
・ドライフルーツなどのおやつばかり食べているとストラバイト結晶ができ、膀胱炎になることもある。